爆サイへの開示請求の手続きや削除方法とは?誹謗中傷の書き込みをされたらどう対応すべきかご紹介します

匿名のネット掲示板といえば西村博之氏(通称・ひろゆき)が開設した2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)が有名ですが、その他に現在多くの人が利用している匿名掲示板に「爆サイ」が挙げられます。

その匿名掲示板「爆サイ」に、誹謗中傷やプライバシー侵害の書き込みがあるなどの問題が多発しております。

この記事では、そのような「爆サイ」に掲載された誹謗中傷などの投稿について、開示請求の手続きや削除方法、誹謗中傷の書き込みをされたらどう対応すべきかご紹介します。

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爆サイとは

爆サイとは、地域のコミュニティーに特化したネット掲示板のことです。

爆サイには、北海道から沖縄まで日本全国それぞれの地域の掲示板が開設されており、投稿者が匿名で自由に書き込みができるようになっております。

例えば、関東地方なら東京都中野区や神奈川県横浜市といった地域に特化した掲示板のため、身近な話題で親近感が高く共感しやすいです。

反面、残念ながら誹謗中傷やプライバシー侵害などの書き込みが多いという側面もあります。

近所の飲食店・医療機関・職場・近隣住民などに対して、不満や悪口が書き込まれることがあります。

その他にも、キャバクラ・性風俗・ホストクラブ・出会い系といった分野での誹謗中傷の書き込みも多く、芸能人や有名人ではなく一般人の名誉が毀損されることがある掲示板とも言えます。

地域に特化した掲示板であるがゆえ、その誹謗中傷の書き込みがオブラートに包んだ内容だとしても、誰に対してのこと・どの会社のことを指しているのか特定されやすいですし、本名や住所などの個人情報がそのまま書き込まれているケースもあります。

自身や自社のことを指しているような誹謗中傷を書き込まれてしまったら、早急に対応するようにしましょう。

爆サイの運営会社とは

爆サイの運営会社は公表されておりません。

しかし、2020年に産経新聞がAegate株式会社が運営会社であるという報道をしました。

ただ、現在は別の会社が運営しているという情報や、その後また別の会社が運営しているという情報もあるので注意が必要です。

なぜ爆サイは誹謗中傷の書き込みが多いのか

爆サイに限らず、ネット掲示板には多かれ少なかれ誹謗中傷の書き込みがありますが、特に爆サイは多いと言われております。

理由はいくつかありますが、他の掲示板に比べ規模が大きい点が挙げられ、2022年2月現在、総投稿件数が8億件を超えております。

投稿件数が多いので、それに伴い誹謗中傷の書き込みも増加しております。

また、キャバクラや性風俗といった水商売に関するスレッドが多いという特徴も要因の一つで、接客に満足できなかった利用者が、嫌がらせのようにその不満を接客者が特定できるような内容で書き込むことも多いです。

中には、店を通さず個人的に性的なサービスをしている人物についてのスレッドもあったりします。

そのような背景からか、以前から誹謗中傷の書き込みが多くあり、誹謗中傷の書き込みがあること自体が当たり前という風潮になっております。

そのことから、水商売関係に限らず、少しでも対応がよくなかった会社などに対しても、あまり抵抗なく誹謗中傷の書き込みをするという利用者が増えているとも言えます。

誹謗中傷の書き込みがあるのが当たり前という風潮をなくすためには、誹謗中傷の書き込みをされた際に泣き寝入りするのではなく、その書き込みの削除や法的措置をとっていくことが効果的と言えます。

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爆サイへのどのような書き込みが削除や開示の対象となるのか

削除や開示の対象となりえる書き込みは以下の通りです。

  • 他人の名誉を毀損したり、権利を侵害したりするような書き込み
  • 住所や連絡先など個人が特定できるような書き込み
  • 運営会社が不適切であると判断した書き込み

他人への名誉や信用を侵害するような書き込みや、個人情報をさらすような書き込みは削除の対象となりますし、犯罪予告などの犯罪行為やそれに類する内容の投稿も対象となりえます。

「あの人は浮気をしている」「あの会社はおそらくブラック会社で残業代は払ってなさそう」といった書き込みは削除や開示の対象となります。

ただし注意点としては、その書き込みが削除の対象であり無事削除できたとしても、削除されたことに投稿者が腹を立てさらなる嫌がらせの書き込みをすることがあります。

根本から問題解決するには単に削除申請するだけでなく、投稿者を特定し法的措置を取ることまで検討しましょう。

削除や開示の対象となるのが難しい爆サイへの書き込みとは

一方、以下のような書き込みは削除や開示の対象となるのが難しいです。

  • 利用規約やローカルルールへ抵触しない書き込み
  • 削除や開示の依頼方法が適切でなかった場合
  • 運営者が削除、開示の対象ではないと判断した場合

最終的な判断は運営会社に委ねられますが、運営会社が応じない場合は裁判所に削除仮処分を申請することにより応じる可能性があります。

仮処分とは、権利を守るため緊急性が高いケースに正式な裁判の前に勝訴したのと同じ状態を確保する手続きで、裁判が長期化することで権利侵害が進行してしまうのを防ぐための救済手続きです。

(もちろん「仮」なので相手方が正式な裁判に持ち込むことがありますが稀です)

爆サイへの書き込みの削除や開示請求はどのような手続き・流れで行うのか

削除や開示請求の方法は主に3つの方法があります。

  • 自身で削除依頼フォームから申請する
  • 弁護士が任意交渉で依頼する
  • 裁判所へ申し立てる

それぞれのメリット・デメリットがあるので把握しましょう。

爆サイへの書き込みの開示請求で投稿者を判明できるのか

爆サイの投稿者が利用したプロバイダに対して、発信者情報開示請求をすればIPアドレスを特定し、その情報からその投稿者を特定できる可能性があります。

発信者情報開示とは、悪質な書き込みをした投稿者の個人情報をプロバイダなどから開示させることです。

投稿者が利用しているプロバイダは「IP SEARCH」などの検索サービスで調べることができます。

IPアドレスだけでは投稿者の名前や住所は判明しないためプロバイダに情報開示請求する必要がありますが、プロバイダにも守秘義務があるため、任意で開示してもらえることは難しく、基本的には裁判での対応が必要になります。

もし投稿者を判明することができれば、その投稿者に対し訴訟を起こすことが可能になります。

爆サイへの書き込みを自ら削除や開示請求する方法

爆サイへの書き込みを自ら削除する方法は、スレッドにある削除依頼フォームから行うことができます。

削除依頼フォームにその書き込みのスレッド番号やURL、違反している禁止事項などを申請することで削除対応してもらえます。

削除依頼フォームから申請するには会員登録(無料)が必要です。

開示請求する際は、被害を証明する資料などを添付し発信者情報開示請求をすると対応してもらえます。

しかし、実情としては、個人で開示請求しても中々対応してもらうのが難しいです。

自身で請求し対応してもらえなかった場合は、弁護士などの専門家に依頼しましょう。

爆サイへの書き込みの削除や開示請求を自らすることのメリット

削除や開示請求を自ら行うことのメリットとしては、専門家への依頼費用がかからない点が挙げられます。

また、例え相手が専門家だとしても、自身が書き込まれた内容が性的な内容など相談しづらい場合は、自ら行うことのメリットと言えます。

爆サイへの書き込みの削除や開示請求を自らすることのデメリット

デメリットとしては手間と時間がかかることと、削除・開示依頼の理由を明記することが難しい点が挙げられます。

どの法令・利用規約にどのように抵触しているのか、そして、自身がどのような権利・利益が侵害されているかなど具体的にかつ簡潔に明記し依頼しなければ、運営会社が対応しない可能性があります。

例えば、削除依頼の例文としては以下のような文面です。

「当該レスに書き込まれている内容は、御社が定める利用規約○条○項○号の禁止事項に該当します。

当該書き込みにより、いたずら電話が頻発し平穏な生活が侵害されているばかりか、近隣住民との軋轢が生まれ現在の住まいに住み続けることができなくなる可能性があります。

上記理由により、早急な削除をお願いいたします。」

また、書き込みの削除を依頼し対応してもらえなかった場合に、そのことを不満に思い何度も削除依頼したり高圧的な内容で削除依頼をしたりすると営業妨害と判断され、削除を受け付けてもらえないばかりか禁止リストに登録されてしまう可能性があるので感情的にならないよう注意しましょう。

くれぐれも「何をもたもたしているんだ、さっさと削除しろ!」などといった依頼はしないようにしましょう。

爆サイへの書き込みを自ら開示請求する際の費用はいくらかかるか

自ら開示請求する際は、郵送費や印鑑登録証明書の取得費用、裁判所への手数料で数千円から数万円程度かかります。

しかし、開示請求は非常に煩雑な手続きが必要で専門知識も要され、また交渉ごとなので必ずしも開示されるとは限りません。

依頼費用が別途かかったとしても、弁護士などの専門家へ依頼されることをおすすめします。

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爆サイへの書き込みの削除や開示請求を弁護士に依頼することのメリット

弁護士へ依頼することのメリットは、手間や時間がかからないことや削除や開示請求が成功する可能性が上がる点が挙げられます。

また、もし書き込みの内容が恥ずかしい内容の場合は相談しづらいというお気持ちはわかりますが、専門家なので守秘義務(知りえた秘密を守る義務)がありますし、依頼人のために共に戦ってくれる頼もしい味方となってくれますので、勇気をもって相談してみましょう。

爆サイへの書き込みの削除や開示請求を弁護士に依頼することのデメリット

デメリットとしては弁護士への依頼費用がかかることです。

依頼費用は決して安価とは言えませんので、実際に依頼する際は慎重に検討する必要がありますが、相談だけなら比較的安価(数千円から一万円程度)でできたり、初回相談は無料という弁護士もいますので、まずは相談料がいくらかだけでも確認してみましょう。

爆サイへの投稿者(誹謗中傷の書き込み犯人)の開示をさせるには

投稿者の開示の流れは主に以下の通りです。

  • スクリーンショットやURLなど書き込みの証拠を保存する
  • ログの開示請求をフォームから依頼する
  • 発信者情報開示請求書などの書類を送付する

プロバイダ責任制限法という法があり、その法に基づき発信者情報開示請求をすることでその投稿者を特定できます。

発信者情報開示請求する際には、まずは書き込みのスクリーンショットやURLなど証拠を保存し、爆サイに対し書き込みのログを開示するよう請求します。

(爆サイが開示の請求に応じるかは任意です)

ログの開示請求方法は「ログ照会依頼フォーム」より必要事項を記し申請します。

そのフォームには、どのような権利が侵害されたなど被害状況を具体的に記載するようにしましょう。

爆サイよりログが開示されましたら、発信者情報開示書や本人確認書などの書類を爆サイの指定する住所に送りましょう。

なお、爆サイが指定する住所は一定とは限らないので、ネットで検索すると住所が出てくることがありますが、必ずそのときに指定された住所に送るようにしましょう。

爆サイへの投稿者(誹謗中傷の書き込み犯人)の開示にかかる期間はどのくらいか

開示にかかる期間はケースによりますが、目安として1ヵ月半から3ヵ月程度です。

  • 各書類などを準備する
  • 爆サイへのログ開示請求し、応じてもらえれば2日から7日程度で開示
  • 爆サイへ発信者情報開示書などを送り、審査が通れば7日から14日程度でIPアドレスなどのログが開示
  • IPアドレスなどのログが開示されたらプロバイダへ発信者情報開示請求

もちろん、ケースによってはそれ以上の期間を要することもあります。

爆サイがログの開示をしなかった場合は裁判所への申し立てをする必要があり、年単位になることもあります。

まとめ

爆サイに非常中傷やプライバシーを侵害される書き込みをされてしまったら以下の対応をしましょう。

  • 書き込みの削除請求、情報発信者開示請求を行う
  • 各請求を自身で行う
  • 各請求を弁護士などの専門家へ依頼する

書き込みを放置しておくとより被害を被る可能性が上がりますので、勇気を持って対応するようにしましょう。

ただし、勇気を持って対応するといっても、自身で問題解決するには専門知識が必要不可欠であり、不慣れなことなので精神的にも負担が大きいです。

また、勇気を持って対応しようとしても、悔しいや悲しいといった感情面が先立ち空回りしてしまい、うまく解決できるとは限りません。

削除・開示請求し現在の悩みを解決したいと思った際は、やはり弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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