Googleマップの口コミに、悪質な口コミを書かれて悩んでいる方は少なくありません。
誰でも簡単に書き込めることから、事実無根な内容が書き込まれるケースも多いためです。
実際、風評被害を受けたり、個人情報が書き込まれるなどの被害をうけた事例も数多く存在します。
そのため、この記事では、Googleマップの口コミを削除する方法や注意点、削除されなかった口コミの対策について詳しく解説していきます。
Googleマップの口コミの削除を検討しているなら、この記事を参考にしてみてください。
Googleマップの口コミとは?削除するべきか?
Googleマップには、地図機能だけでなくGoogleアカウントを持っている利用者が、お店・会社などの口コミを投稿する機能があります。
この口コミは、アカウントがなくても誰でも簡単に閲覧でき、またGoogle検索でお店・会社の名前を検索することでも、口コミを確認することが可能です。
そのため、お店・会社の利用者からは、お店・会社を利用する際の判断材料として重宝されています。
しかし、Googleアカウントがあれば誰でも口コミを書けるので、事実ではない評判を下げる悪質な口コミが書かれる被害や、そこで働く人の個人情報が書かれるといった被害も少なくありません。
仮に、そういった被害を受けてしまうと、個人情報の漏洩や、企業の評判低下などの悪影響を受ける可能性があるため、悪質な書き込みは積極的に削除することをおすすめします。
Googleマップの口コミのメリット
Googleマップの口コミは、悪質な書き込みによってお店・会社などの評判が下がるリスクがある一方で、店側にも以下の4つの利点があります。
- 来店やサービス利用の促進につながる
- お客様との信頼関係を構築できる
- お店・会社を客観的に見て改善に繋げることができる
- 社員やスタッフのモチベーション向上につながる
例えば、「店員の対応が悪い」といった悪い書き込みであっても、実際にあった内容であれば、その口コミをもとにお店・会社の改善に繋げることができます。
一方で、「接客態度が良かった」という良い口コミの場合は、そこで働く社員やスタッフのモチベーションの向上に繋げることが可能です。
このように、Googleマップの口コミをうまく管理することで、お店・会社の運営をより改善できます。
Googleマップの口コミは自分で削除できる
Googleマップの口コミ削除は、Googleに削除依頼をすることが必要です。
ただし、好きな口コミを削除できるわけではなく、Googleマップの「禁止および制限されているコンテンツ」に該当する内容の口コミでないと削除されません。
具体的な内容は、以下の表に記載されている内容です。
項目 | 詳細 |
スパムと虚偽の内容 | 評価を操作目的・虚偽の内容の書き込み |
関連性のない内容 | 該当のお店・会社などに関係のない書き込み |
制限されている内容 | アルコール・ギャンブル・タバコなどの販売を促す特典やフレーズの書き込み |
違法な内容 | 著作権を侵害している画像や危険行為・違法行為を描写した書き込み |
テロリストの内容 | テロ行為の助長や暴力を扇動するような書き込み |
露骨な性的表現を含む内容 | 性的な意味合いを表現する書き込み |
不適切な内容 | わいせつ・不適切な言葉などを含む書き込み |
危険および中傷的な内容 | 他社を脅す書き込みや差別的な書き込み |
なりすまし | 他社になりすまして書き込まれた書き込み |
利害に関する問題 | 自分のサービスに関する口コミの書き込みなど |
出典:禁止および制限されているコンテンツ
上記の内容に該当する口コミがされた場合には、削除することが可能です。
Googleマイビジネスのページから削除依頼をする方法
Googleマイビジネスとは、Googleマップなどで、表示されるお店・会社の情報を管理するためのツールです。
ビジネスオーナー認証を取得することで、Googleマイビジネスのページから口コミの削除申請ができます。
具体的な手順は以下です。
- Googleマイビジネスにログインする
- 管理の画面から口コミをクリック
- 削除をしたい口コミの右上にある3つの点をクリックして「不適切なクチコミとして報告」をクリック
- 該当する違反内容を選択して送信をする
申請を受けて、Google側が規約違反をしていると判断すれば削除されます。
ちなみに、Googleマイビジネスのオーナー認証をするためには、以下の手続きが必要です。
- Googleマップの情報画面から「ビジネスオーナーですか?」をクリック
- お店・会社の名前などの基本情報に間違いなければ「管理を開始」をクリック
- オーナーコードを「電話・ハガキ・メール」のいずれかの方法で受け取る
- オーナーコードを使用してオーナー確認を完了させる
ちなみに、オーナーコードの確認は、お店・会社の情報に記載されているメールアドレスや電話番号からしか行うことができません。
Googleの検索結果ページから個人情報を削除依頼する方法
Googleの検索結果ページから、一般の利用者として、個人情報や悪質な口コミの削除依頼を行うことができます。
具体的な手順は、以下です。
- お店・会社の名前などをGoogle検索して、右側に表示される基本情報の中にある「Google口コミ」を選択
- 削除したい口コミの右上にある3つの点を選択
- 「レビュー報告」を選択
- 口コミを報告で該当する違反内容をチェックして送信を選択
上記の方法で、誰でも簡単に違反報告ができます。
ただし、前述の方法と同様に、Google側が規約違反をしていると判断しないと、口コミは削除されません。
Googleマップのページから削除依頼をする方法
Googleマップのページからも削除依頼は可能です。
マップ上でお店・会社を検索し、表示された基本情報から削除依頼を行えます。
この方法も、Google検索結果で削除依頼をする方法と同様に、一般の利用者でも削除依頼を行うことが可能です。
具体的な手順は、以下になります。
- 会社名などをGoogleマップ検索して、左側に表示される基本情報の中にある「口コミ」を選択
- 削除したい口コミの右上にある3つの点を選択
- 「レビュー報告」を選択
- 口コミを報告で該当する違反内容をチェックして送信を選択
このように、非常に簡単に削除依頼をすることが可能です。
Googleマップから口コミや個人情報を削除したい場合に弁護士に削除依頼するメリット
Googleマップから口コミや個人情報を削除したい場合に、弁護士に依頼することでスムーズに口コミを削除できる可能性があります。
弁護士に依頼することには、以下のメリットがあるためです。
- Google側に対して「法的にどのような権利が侵害されているのか」を説明する際、法的根拠のアドバイスがもらえる
- 削除依頼を行っても削除されないケースで、法的手続きを代わりに行ってくれる
- 素人では難しい法的手続きを代わりに行ってくれるため、口コミを削除できる可能性が高くなる
もちろん、弁護士費用は必要ですが、自身で解決できないようなケースでは、十分に依頼するメリットがあります。
なお、弁護士による悪質な口コミなどのネット上の書き込みの削除に関しては、以下の記事を確認してみてください。
「ネットの書き込みは削除できる!削除の方法と損害賠償請求についても解説します」
Googleマップの口コミを削除依頼する際の注意点
Googleマップの口コミを削除依頼する際、注意点も存在するため、よく理解しておく必要があります。
理解しておくことで、アカウント停止などの事態になることを防げるうえに、口コミが削除されないなどの理由で気を揉むことも防げるためです。
そこで、ここでは、Googleマップの口コミ削除の3つの注意点について解説していきます。
削除依頼は何回も依頼できない
基本的に1つの口コミに対して、削除を依頼できるのは1回限りです。
そのため、口コミが削除されないからといって、理由を変更して何度も依頼をしても削除されることはありません。
むしろ、何度も削除依頼をする行為がスパム行為と見做されて、アカウントの停止などの処罰の対象になる可能性があります。
このため、悪質な口コミが削除されなかったとしても、何度も削除依頼をするのは避けましょう。
口コミの削除には時間がかかる
口コミの削除依頼をしても、削除されるまでに時間がかかります。
2〜3日という短期間で削除対応されるケースもありますが、1ヶ月以上経ってから削除されるケースもあります。
そのため、すぐに口コミが削除されなかったとしても、気長に待つようにしましょう。
ただし、数ヶ月経過しても口コミが削除されていない場合は、削除申請が却下された可能性が高いため、別の手段を考える必要があります。
Googleから結果報告は来ない
Googleに削除依頼をした口コミが消されても、報告が来ることはありません。
一方で、Googleが「削除しない」と判断したケースでも、削除しなかった理由についての説明はありません。
このため、削除されたかどうかを確認するためには、口コミをこまめにチェックする必要があります。
Googleマップの口コミ削除判例
Googleマップの口コミの削除判例として、2020年9月18日に大阪地裁がGoogleに対して口コミの削除を命じた判例があります。
この裁判は、2018年に整骨院のGoogleマップの口コミに書き込まれた「院長先生が不愉快」、「治療も痛いだけ。他の場所に行ったほうがいい」という書き込みが発端です。
この書き込みが、訴訟を起こした女性の氏名と同じアカウントで書き込まれており、近隣の住民から「ネットに悪口を書いている」と疑いの目を向けられたため、精神的苦痛を受けたとして、Googleに対して女性が口コミの削除と慰謝料11万円の支払いを求めました。
この裁判で、大阪地裁は口コミの書き込みが第三者によるなりすましと認定したうえで、「整骨院との関係を悪化させる可能性があり、受忍限度を超える」としてGoogleに対して削除を命じたのです。
一方で、慰謝料に関しては、Google側がなりすましと気づくだけの情報がないとして、削除義務を怠ったとは言えないため、賠償責任はないとしています。
出典:「なりすまし」グーグル口コミに削除命令 大阪地裁 – 産経ニュース
上記のように、Googleに削除依頼をして削除されなかったとしても、裁判を行うことで削除できるケースがあります。
Googleマップの削除できない口コミに対する対策
Googleに削除依頼をしても、規約違反していると判断されずに削除されない口コミがあります。
しかし、削除されないからと、悪質な口コミをそのままにしておくと、利用者からの印象が悪くなってしまうため、悪質な口コミに対する対策を理解しておくことが重要です。
そういった口コミに対する対策を理解しておくことで、利用者からの印象を良くできます。
口コミに対して返答する
削除できない良くない口コミに対して有効な対策が、口コミに返答する方法です。
良くない口コミに対して返答することで、コメントをした利用者側への謝罪の気持ちと改善する意思が伝えられれば、好印象を与えることができます。
また、他の利用者が悪質な口コミをチェックする際にも、口コミへの返答内容は確認するため、他の利用者からも誠実な対処として捉えられやすいです。
ただし、良くない口コミに対して「おまえは嘘をついている」などの攻撃的な返答をしてしまうと、第三者からの印象がさらに悪くなる可能性があります。
このため、返答する際は内容まで気を遣って返答するようにしましょう。
ちなみに、口コミに返答するためには、Googleビジネスでオーナーに認証されていないとできないため、ビジネスオーナー認証の申請を行う必要があります。
口コミの数を増やす
口コミ数が少ないと悪質な口コミが目立ってしまいます。
そのため、良い口コミの数を増やすことで、他の利用者が口コミを確認した際の印象を良くすることが可能です。
ただし、口コミを増やすことは容易ではありません。
口コミを書くことは手間がかかるためです。
そのため、口コミを書いてもらえるように工夫が重要になります。
例えば、口コミをしてもらえれば割引券がもらえるといった、サービスなどの工夫をすることで、口コミ数を増やすことが可能です。
まとめ
お店・会社などを経営している方の中には、「Googleマップの悪質な口コミを削除したい」と悩んでいる方が少なくありません。
誰でも簡単に書き込めるうえに、事実無根の内容を書き込まれるケースも多いためです。
このため、この記事では、Googleマップの口コミを削除する方法や注意点、削除されなかった口コミの対策について詳しく解説してきました。
Googleマップの口コミの削除で悩んでいるなら、この記事を参考にしてみてください。